②遅延対策-初期対応が運命の分かれ道

回収遅延は、営業マンにとって
前向きの活動を鈍らせる最大の敵だ。

回収遅延が発生した。

振込入金の場合、遅延が発生しても営業マンはすぐにはわかりません。いや、営業マンによっては経理任せで、本部から指摘されるまで取引先に督促しないまま日々の納品を続けているケースもあるかもしれません。営業にとっては売上が何よりも重要であり、回収などには関わっている暇はないとでも思っているのでしょうか。

これは大変危険なことです。経理と営業との連携も大切ですが、営業責任者は部下に対し、回収までが営業の仕事であることを繰り返し指導し、取引先の回収遅延には敏感に反応する営業マンに育てなくてはなりません。

せっかく販売をしても1件の貸倒を出してしまうと、その後の処理の手間も考えると、その何十倍の売上をしなくては元はとれないのです。

遅延の発生にも原因はいろいろあります。私は6つの原因別の対応をお薦めしていますが、いずれにせよ初期対応が極めて重要です。これを疎かにすると回収は、ほぼ不可能になる

私自身も債権者側の立場で働くことが多かったのですが、実は破綻した会社の債務者側にいたことがあります。資金繰りに窮した企業はどのような行動を取るのか、その時の最終局面の実体験をここで書くわけにはいきませんが、債権管理の立場からあるいはコンプライアンスの立場から、大きな教訓として自分の中に残っています。

私のクライアントの皆さんには、是非その教訓を活かしていただきたいと思っています。